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魚話その215 シン・リアルタイム骨取りその9 ~最後に~

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|骨格標本 |  ●チカメキントキの全身骨格を例に 半年ぶりの更新である. 前回で作業は終了だが,変色や異臭がないかしばらく様子見をしてから完成としている(特に人に渡す場合). 完成直後は白くても,数ヶ月で真っ黄色/まっ茶色に変色してしまったこともあった. 徹底的な真っ白さを目指してはいないが,あまりにも変色が酷い場合は残留した脂が虫やカビ,異臭の原因になり,好ましい事態ではないので, なお,日焼けによりうっすらクリーム色に落ち着くくらいは許容範囲と考えている.   Fig. 1 半年後のチカメキントキ全身骨格 さて. 以降はイベントやSNSなどでホネ話をしている際に出てきた話題や質問を交えつつ. 1.手法の変遷 ざっくり書くとFig. 2の通り.   Fig. 2 作業の変遷  

魚話その214 シン・リアルタイム骨取りその8 ~支柱と台座を作るよ~

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 ●チカメキントキの全身骨格を例に 工作のターン! 支柱とか台座の材料や作り方は人それぞれなので,あくまで僕が趣味でやっている方法を紹介する. イベント出展用と自宅用とで什器を変えることがあるので着脱ギミック付きだが,用途が絞られていれば省略可能な部分も多い. 実は釣り好きからの派生で釣り具を作るのも好きで,工作も20年以上続く趣味の1つだったりする. 電動工具とかガンガン出てくるけれど,別にこれが必須というわけではなくて,各自で好きなように製作すれば良いと思う. また,ホームセンターのみならず100均や模型店,彫金工具店にも素材や道具やヒントが転がっているので,覗いてみるのもお勧めだ. 特に模型や彫金系の店は,ホームセンターや工作系通販サイトでも見かけないような小さめ金属素材や,痒い所に手が届く便利グッズと出会えるチャンスが眠っている. さて. 1. バランス取り 落下に注意しつつ,バランスが取れる位置を探す. 頭骨が結構重いので,かなり前方でバランスが取れることが多い. 一度ホネを整形台等に戻し,工作時の埃や破損を避けるため安全な場所へ避難. Fig. 1 全身骨格のバランス取り a) チカメキントキ, b) アカタチ, c) ノーザンバラムンディ バランスが取れる部分を赤三角で示した. 脊柱等に補強金具が入っているので,ホネだけの時とバランスが変わる可能性に注意.

魚話その213 シン・リアルタイム骨取りその7 ~組立と整形するよ~

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 ●チカメキントキの全身骨格を例に ちまちまちまちまちまちまちまちましたクリーニング作業もなんとか終わり,ようやく組立. 硬化後も瞬間接着剤用の剥がし液やアセトンで溶かせることから,僕はアロンアルファ等のシアノアクリレート系接着剤を愛用している. ホットボンドは手軽だが湿気や(比較的短期間の)経年劣化で剥離するので,仮止め以外では使っていない. また,2液性のエポキシ接着剤も硬化後の除去が厄介なので,支柱や台座の製作以外では使っていない. さて. 作業スタート. 1. 組立 1-1. 整形台の作製 水中に浮かんでいる魚はヒレが上下左右に伸びており,卓上にベタ置きすると末端に負荷がかかるため,船模型の人が使っている「キールクランパー」をネットで見かけて以来,作業台を使用するようになった. 最近は大きめの魚を扱うこともあり,工作趣味も兼ね金属製の整形台を作った(Fig. 1b)が,スチレンボードや木材を組み合わせたものでいい(Fig. 1a)し,通販で実験スタンドを買ってきて改造するのもありだ. 気まぐれな僕は同時並行で別の魚の整形をすることも多いので,整形台はいくつあっても困らないのである. Fig. 1 整形台 a) スチレンボード製, b) 金属製 魚種によって形状をアレンジすることはあるが,大体こんな感じ. スチレンボードはダイソーのカラーボード(450 x 300 x 10mm)の黒を愛用.

魚話その212 シン・リアルタイム骨取りその6 ~クリーニングするよ~

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 ●チカメキントキの全身骨格を例に ここからはちまちま作業のターン! 軟組織が残っている部分を濡らしたキムワイプでふやかし,ピンセット等でちまちま除去する. ホームセンターで手に入る有機溶剤対応の細筆(コシが強めのやつ)の先端をカットしたブラシも便利だ(Fig. 1).   Fig.1 クリーニングで使用する器具 先端がしっかり合うピンセットがあると,作業効率が断然違う. 僕が学生の頃の実習では,「先端が精密なピンセットを曲げたら切腹するくらいのつもりで大事に使ってください」と言われたことも…

魚話その211 シン・リアルタイム骨取りその5 ~漂白と粗整形やるよ~

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●チカメキントキの全身骨格を例に    今回も液体に浸すだけなので,余談が多めの回. 脂ノリノリだったので,頭骨は有機溶剤脱脂(限定公開記事の方)の最終段階までやってしまったが,いい感じに脂は抜けた(Fig. 1).   Fig. 1 脱脂が完了した様子 脱脂の過不足は脱脂液を透明なガラス板に数滴垂らし,揮発後の残渣(ざんさ)を見て簡易判断する(Fig. 2)もよし,ホネをしばらく放置して変色しないか観察するのでもいいと思っている.

魚話その210 シン・リアルタイム骨取りその4 ~脱脂やるよ~

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 ●チカメキントキの全身骨格を例に   カリカリに乾燥したら薬品による脱脂スタート. 乾燥で腐敗を遅らせることはできるが,脂の酸化はどんどん進行する. あくまで概念図だが,時間と除肉とホネの色はFig. 1のような感じになるので,変色が始まる前に除肉と乾燥を切り上げたい. 魚種によっては数日で黄変が始まる.   Fig. 1 時間経過と変色のイメージ

魚話その209 シン・リアルタイム骨取りその3 ~頭部の除肉やるよ~

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● チカメキントキの全身骨格を例に     今回は頭部の JO ☆ NI ☆ KU 開始. 見やすい角度や説明のしやすさの都合で,いくつかの魚種が混在しているが勘弁してほしい . どうしても撮りやすい形状などに差異があるのだ … 【注意!!!!!】 今回は除肉の回なので,解体中の写真が多数出てきます. 食用に魚を捌く写真とほぼ一緒なのですが,血や内臓が苦手な方がいらっしゃるかもしれません. それでもご覧になりたい方のみ以下の本文をご覧ください. 【注意!!!!!】   1. 肩帯と腰帯の分離と除肉 肩帯と,(魚種によるが)腰帯を外す. 肩帯はいくつかのパーツで後頭部と連結しているわけだが,板状のパーツが重なっているだけであるため、時間が経つと重なり具合が分からなくなる. 適当に組み立てるのも一つのやり方かもしれないが個人的にはモヤモヤするので,左右で異なる連結部位で分断しておき,情報を残すようにしている.   Fig. 1 a) 頭部と肩帯の分離している場所,b) 分離された肩帯および腰帯,c) 除肉後の肩帯および腰帯(黒矢印が後側頭骨,赤矢印が擬鎖骨) 普段は後側頭骨-上擬鎖骨間(上の黒三角)か上擬鎖骨-後擬鎖骨間(下の黒三角)で分離している. 今回は偶然既にグラついている部分があったので,左肩帯は上擬鎖骨‐擬鎖骨間で,右肩帯は神経頭蓋‐後側頭骨間で外した.

魚話その208 シン・リアルタイム骨取りその2 ~胴体の除肉するよ~

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●チカメキントキの全身骨格を例に  しばらく余裕があるかなと思っていたら,仕事帰りに寄ったスーパーで良い感じのチカメキントキを発見してしまったので,さっそく更新. Fig. 1 チカメキントキ(新潟産) 【注意!!!!!】 今回は除肉の回なので,解体中の写真が多数出てきます. 食用に魚を捌く写真とほぼ一緒なのですが,血や内臓が苦手な方がいらっしゃるかもしれません. それでもご覧になりたい方のみ以下の本文をご覧ください. 【注意!!!!!】

魚話その207 シン・リアルタイム骨取りその1 ~使用している器具や薬品など~

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●チカメキントキの全身骨格を例に Twitterって手軽で楽しいね! このブログの全盛期は長い大学院生の頃で,2010年前後は卒論・論文投稿・就職・引越的etcがてんこ盛りで疲弊,社会人になってからは魚のホネがメインになってしまいネタの多様性確保ができず,更新が途絶えた次第. さて. 今から15年前に 「リアルタイム骨取り」 というタイトルで魚の全身骨格作製の様子を公開した. 当時は薬品による除肉を行っていたが15年間で手法が二転三転し,最近ひと段落ついたので,改めて現在の手法を公開.     Fig. 1 ミノカサゴの全身骨格 2009 年作製(下段)と 2019 年作製(上段) 今回は「僕はこういう手順でホネ取りをしていますよ」という,ふわっとした紹介調で書くつもりだ(安全衛生管理に関連する項目以外). そもそも魚の骨格標本を作ろうとしてここに辿り着く人は,既に詳しい人が多そうだし,ホネ取りハウツーサイトもいっぱいあるので,今更ドヤって書いてもな…と.

てsっと

てすと